お父さんのための ソーラーシェアリング入門講座

発電マン・ベリーズ(株)  岩堀良弘  平成27年11月29日  沼津市

講師プロフィール

  • 岩堀良弘(いわほりよしひろ)
  • 昭和34年静岡市に出生
  • 父親の代からの家電店を経営
  • 平成12年から太陽光発電に取り組む
  • 平成15年(株)発電マン設立
  • 平成18年「発電貯金」ならほっといてもお金がたまる出版
  • 平成21年「発電貯金」生活のススメ 出版
  • 京都エコエネルギー学院講師
  • 平成24年産業用太陽光発電の施工始める
  • 平成25年ソーラーシェアリングにも取り組む
  • 平成27年家電部門と合併し、発電マン・ベリーズ(株)となる。
  • 農業にも挑戦・・静岡市のアグリチャレンジに参加

地球に降り注ぐ太陽エネルギー

日本の太陽光発電の歴史

  • 1954年 アメリカのベル研究所でシリコンから電気を取り出すことに成功
  • 1973年 第一次オイルショック
  • 1974年 サンシャイン計画(太陽電池の研究スタート)
  • 1994年 住宅用太陽光発電モニター制度(補助金)開始
  • 2005年 補助金制度一旦終了
  • 2009年 住宅用 補助金制度再スタート
  • 2010年 日本版FIT制度(住宅用)スタート
  • 2012年 全量買取り制度(産業用)スタート
  • 2013年 営農型(ソーラーシェアリング)スタート

農地に太陽光発電を設置したい!

農地法(第4条)

  • 農地は国民の食糧を生産する基盤であり、農地法はこの大切な農地を守っていくことが目的。住宅、工場等が農地に無秩序に建設されることによって、周囲の農業生産に悪影響を及ぼさないように調整を図る。
  • 農業の基盤である農地の所有や利用関係の仕組みを決めた基本的な法律。
  • 第四条  農地を農地以外のものにする者は、政令で定めるところにより、都道府県知事の許可(中略)を受けなければならない。

条件付きで太陽光設置を許可(平成23年3月31日農水省通達)

「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取り扱いについて」

(各地方農政局長及び都道府県知事等あて)

⇒3年間の期間限定で支柱部分の一時転用許可

①農業継続が前提

②営農に支障がないこと

③周辺に影響が無いこと

農地でソーラーシステム導入する条件

①(パネル)下部の農地での営農の適切な継続が確実で、パネルの角度、間隔などからみて農作物の生育に適した日照量を保つ設計になっていること

②支柱の高さ、間隔などからみて必要な農業機械などを効率的に利用できる空間が確保されていること

③支柱の面積が必要最小限で適正と認められること

④周辺の農地の利用、農業用排水施設などの機能に支障を及ぼさない

⑤パネル下部の農地で生産された収量などを年1回報告する義務

一時転用許可期間は3年以内

3年後の更新時の見直し条件

①営農が行われない場合

②パネル下部の農地における単収が同じ年の地域の平均的単収とくらべておおむね2割以上減少

③生産された農作物の品質に著しい劣化が生じている

④農作業に必要な機械等を効率的に利用することが困難であると認められる場合
といった事項が認められるときには、営農の適切な継続が確保されていないと判断される可能性があります。
ソーラーシェアリングのはじまり
ソーラーシェアリングが成り立つワケ
ソーラーシェアリングと一般的な野立て型との違い

ソーラーシェアリングのメリット&デメリット

メリット

・農地のまま可能=農地転用は不要(ただし一時転用)

・営農+副収入が得られる

・土地代が不要(またはかかっても安い)

・農地のままなので固定資産税も安い

・将来農地に戻しやすい

デメリット

・3年ごとに見直し⇒営農しなければ更新できないリスク

・営農し続ける必要

・融資を受けにくい(農地は担保価値が低い)

ソラカルシステムとは?

ソラカル式(パネル回転式)のメリット

1 日照量調整・・・作物により遮光率の変更ができる

2 発電量アップ・・・季節ごとに角度を変えることで約5%の発電向上

3 強風対応・・・強風時に水平にすることで風圧荷重低減

4積雪対応・・・傾斜角を大きくすれば3mの積雪でも発電可

5洗浄容易・・・パネルを立てれば、地上からブラシ洗浄可

ソーラーシェアリング導入するための「3つの壁」

1)農業委員会

2)システム設計

3)資金調達

壁(その1)  農業委員会

1)農業委員会

・一時転用許可の是非判断

・農業委員が情報不足

・初めての場合審査が慎重になる・・・突破すればその後は比較的ラク

・申請に必要な書類(原則)・・・通常の転用許可書類+設計図、営農計画書、知見を有する者の意見書さらに農業委員が必要と思われる書面

※知見を有する者とは・・例えば普及指導員、試験研究機関、設備の製造業者

壁(その2) システム設計

2)システム設計

・何をつくるか・・・田、畑、半陰性植物

・遮光率・・・30~40% or 85~90%

・土地の形状・向き、パネル角度

・規模は?低圧連系(10kW~50kW)、高圧連系

・柱間隔・・・機械器具が動作できるか

・基礎工法・・・土壌の性質

・パネルの選定・・・通常パネルor専用パネル

・パネル回転型or固定型

⇒作る作物に応じた設計が必要・・・太陽光ありきで考える業者が大半

壁(その3) 資金調達

3)資金調達

・低圧50kWで約1500万円~2000万円

・金融機関選び 政策金融公庫or民間融資の可否は各金融機関(場合によっては支店によっても)ごとに異なる

・担保設定 ・・・土地orシステム

・農地の担保価値が低い(ほぼゼロ)のがネック

 

事例:1反(300坪:約1000㎡)での収益は?

(遮光率35%程度で配置したとして)

・モジュール多結晶110W×480枚=52.8kW

・年間発電量:52.8kW×1100=58080kWh

・年間売電収入:58080kWh×27円=156万円(平成27年)

・農業収入: ○○万円

ソーラーシェアリング【まとめ】

あくまで農業を継続することが前提(放棄地ではNG)

創る作物によって設計・施工方法が異なる~農業との共存をどのように図るか

遮光率、架台の種類、基礎の種類、高さ、農機具との整合性

3つの壁の乗り切り方

3年後の見直しに備える
リスクを充分知ったうえで導入すればメリットも大
県内事例 伊豆の国市(140kW)
伊豆の国市SmartLife発電所
伊豆の国市SmartLife発電所
農機具も使用可能
県内事例 掛川市 沢向発電所48kW
県内事例  掛川市I様200kW
川根スカイエナジー第1発電所
静岡県立大学との共同研究
今後の農業と太陽光発電はどうなるのか?
全量買い取りの売電価格はさらなる低下?

平成27年度・・・27円/kWh (H26年度は32円) H25年度・・36円 H24年度・・40円

電力自由化・・・電力事業に一般企業の参入メニューの多様化

静岡県が2020年度太陽光導入量倍増

農業を取り巻く環境

TPP締結→ 農業の競争力強化が必須

高齢化と跡継ぎ不足→耕作放棄地の増加

耕作放棄地への課税強化

農地中間管理機構(農地バンク)の活用促進

発電マンの農業への取り組み

焼津市の田を畑に開墾

静岡市開催のアグリチャレンジに参加